[お堰カレッジ]第3回 流域治水を社会学的に見る

※お堰カレッジは「身の回りの川のことや社会問題について、市民が学ぶ場をつくろう」と有志によって結成された勉強会です。「川、第十堰、住民投票、環境教育」などを中心に、それぞれが気になるテーマを設定し(こじつけOK)、学んでいきます。

昨年から続きてきた国土交通省の新方針「流域治水」を学ぶシリーズの第3段。ここまで同省の資料や、環境社会学者で参議院議員の嘉田由紀子さんの講演を題材に学んできましたが、今回はその振り返えった。

プレゼンターのしまちゃんは、ホームページ上の嘉田さんの次の発言を引用し、流域治水について考えた。

近代社会を「リスクの生産と分配」という側面から捉えたドイツの社会学者、ウルリッヒ・ベックの議論を下敷きに、世界各地の水辺の災害リスクを研究してきた成果の一つが「流域治水」だ。温暖化が進む中での想定外の洪水はダムや堤防などで河川の中に閉じ込めきれず、人間社会の側が備える必要があるという「多重防護」の仕組みが流域治水政策だ。

https://www.theater-seven.com/ev/ev_tznb01.html

しまちゃん(社会学専攻で修士号)によると、リスク社会とは、環境汚染や原発事故などのリスクが、階級と無関係に人々に降りかかり、ある酒の普遍性を持つとともに、そのリスクが国境を超えて世界規模で進行する社会のことだという。

固定的であった前近代と比べて、グローバルな近代社会は流動的である。ゆえにリスクは世界規模であり、一つの国家単位では考えられない。自分の生活のいろいろなことが世界とつながっていて、影響は受けているのだが、全体像はわかりにくい。

嘉田さんは講演で「近い水」という概念を繰り返し説明された。人と水の関わりを増やすことによって、川の異変を察知し、洪水が水害になるのを防ぐという考えである。

自分と世界との関係性、自分と自然との関係性を問い直す、あるいは実感できるものにすることが、流域治水であり、吉野川で行っている環境教育活動ではないだろうかというのが、これをまとめている新居の論考である。

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